ごちゃ+まぜ=null

改定完全版 占星術殺人事件読んだ

アルキメデスの次はサロメ...?

アルキメデスは手を汚さない」を読んだ後、作者である小峰元の作品をいくつか読みたいと思っていたのだが、復刊してソフトカバー版が出版されたのはアルキメデスだけだった。

 

ハードカバー版はAmzonマーケットプレイス等で入手可能ではあるのだが、もしかするとどこかの図書館で読むことができるかもしれないと思い、一旦保留とすることにした。

null10blg.hatenablog.com

 

本との出会いは本のあるところとは限らない

今まであまり触れてこなかったミステリー小説だが、アルキメデスをきっかけにどうやらはまってしまったらしい。気がつけば、そういった類いのコーナーを物色している自分がいた。しかしながら、アルキメデスのときのような出会いに恵まれずにいたのだった。

 

今回のホームズイベでミステリに興味が湧いたそこのあなた、せっかくなら新本格を読んでみてはいかが?

まずは『占星術殺人事件』から!

 

今回の出会いはこのようなツイートがきっかけとなった。なるほど、占星術殺人事件か。オカルト✕ミステリーなんて面白そうじゃあないか。

 

こうなると行くべきところは一つである。八重洲ブックセンターだ。

八重洲ブックセンター

 

そして入手。

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ちなみに新装版が出てるから読むならそっちがいいよ

というアドバイスによって今回は改訂完全版にしたのである。

 

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)
 

 

AZOTH

私は悪魔憑きである。

 

梅沢平吉の「手記」はこの一節から始まる。この章を読んでいるときは正直何だこれと思った。

 

まず、この章全体の印象がどことなく古く感じる。今思えば、作中の時間軸で四十年前なのだから当たり前だったのかもしれない。

 

そして、とにかくデモンだの西洋占星術だのオカルト色全開なのである。これって本当にミステリー小説なのか?と思ってしまうほどに。

 

しかしながら、読み進めていくとこの章は非常に大きな意味を持つことに気がつく。この章に記されている梅沢平吉の「手記」は四十数年迷宮入りしていた猟奇殺人事件との繋がりを見せていくのだ。

 

四十年の難問

密室で殺された画家が遺した手記には六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。その後、彼の六人の娘たちが行方不明となり、一部を切り取られた惨殺死体となって発見された。

 

 梅沢平吉の「手記」に書かれていたことと、そっくりそのままの計画が現実に起きてしまう。その真相は四十数年の間、迷宮入りしたままとなっていた。

 

この謎を解くべく立ち上がったのが石岡・御手洗のコンビである。二人が推理を進めるに従って物語は一気に加速する。

 

作者からの挑戦状

プロローグの部分にはこうある。

これは私の知る限り、最も不思議な事件だ。おそらく世界にも、まずめったに例を見ない不可能犯罪であろうと思う。

しかも、この事件には詳細な記録が遺されており、すべての手がかりが完璧に公表されてなおこの結果なのだから、まったく信じがたいほどに手強い代物というほかにない。 

 

何の構えもなく、興味深いなと読み進めていたわけなのだが、<第一の挑戦状>、<第二の挑戦状>と章の区切りに作者からの挑戦状が挿入されているのである。

 

なるほど、文中には

知能指数におぼえのある無数の人々

素人探偵

 などといった表現がみられた。

 

この本は読み物としてだけではなく、作者からの挑戦状としての側面もあったのか。

 

謎解きは主人公とともに

本書の進行においても、解答がなされるよりずっと以前に、読者の眼前には解決に必要なすべての手がかりが、あからさまなかたちで示されるであろう。

 

脱帽である。何一つ分からなかった上に真相の究明を石岡・御手洗のコンビに任せっきりだったのだ。

 

ミステリー小説の楽しみ方が少しずつ分かってきた気がする。御手洗が登場する作品は他にもあるようなので、機会があれば読んでみようと思う。

 

あなたも四十年の難問に挑んでみませんか?

 

またそ